12月22日 北三谷小学校雅楽鑑賞会
2009年 12月 25日
足立区での音楽教育支援事業も今年で3年となります。
北三谷小学校は、初年度より連携事業をお申し込みいただいており、雅楽の公演も3度目となりました。
演奏は芸大邦楽科雅楽専攻の教員と学生の皆さんです。鑑賞会は音楽室で2クラス2回公演で実施されました。
『装束』と呼ばれる雅やかな雰囲気を持った衣装をつけての演奏です。
鑑賞会は、まず『平調音取(ひょうじょうのねとり)』から開始されました。
音取は音あわせのようなものでごく短いながらも、音階や旋律法が巧みに取り入れられており、音取からだけでも、その調子の持つ音楽的特徴を味わい知ることができるものです。
引き続いて、雅楽の中で最も知られた曲といえる『平調越天楽』の演奏が行われました。
ところで雅楽には西洋楽器と同じように、箏・琵琶の弦楽器、笙・篳篥・竜笛の管楽器、鞨鼓・太鼓・鉦鼓の打楽器があります。今回はそれぞれの楽器がそろっての演奏で、楽器の説明に引き続いて児童がそれぞれの楽器を体験するワークショップが行われました。簡単に音が鳴るもの、音だしの構造を説明してもらいながら一生懸命音を鳴らすのに集中する児童の皆さんの姿が印象的でした。
最後に教科書にも掲載されている『越天楽今様』を本物の雅楽の楽器の伴奏で全員合唱して鑑賞会は終了となりました。
終わりに行われた質問コーナーでは『笙』をなぜ電熱器であぶっているかという質問が2クラスともありました。楽器の構造上、金属製のリードに水滴がつくと音が鳴らなくなってしまうために、演奏中楽器を演奏しないときはずっと電熱器の上で「頭(かしら)」という黒い部分を回しながらあぶり続けます。
今回の雅楽公演、小学校の最後の学年の思い出としても児童の皆さんの心に残る鑑賞会となったと思います。